KoheiOkutani

ザ・ビーチのKoheiOkutaniのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ビーチ(2000年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ディカプリオといえばこれを挙げる映画好きも多い今作。
それまでの王子様キャラから完全に脱したわけではないが、その後の人間ドラマでの重厚な演技の片鱗が感じられる。

ダニー・ボイルらしい、スピード感ある作品だろう。
特に中盤からのテンポがよく、リチャードがコミューンで自己倒錯していく様の描き方がさすがで、観ている側も巻き込まれ前後関係のストーリーが読めなくなる。
このあたりの構築の仕方、ドラッグ描写みたいなものがダニー節で、ここから「シャッター・アイランド」でのディカプリオの演技に繋がっていったのかと考えるのも楽しい。

ラストこそ「良い話」感で終わっているが、写真を送ってきたのはよくよく考えたら寝取ったのにさらに浮気して捨てた女からだし、
間接的なものも含めると2人も殺しているし、呑気に母国帰って思い返している場合じゃないだろう!
と思ってしまうのだが、リチャードのその性格が、冒頭の旅に繋がっているとすれば、あの後また別の旅に出たんだろうと想像してしまう。

「普通」っぽく元の環境に戻れてしまっているからこそ、また刺激を求めて旅に出るという構図になり、作品のループ感を感じてゾッとする。


普通に面白い一本!
ミレニアム期のカオスを体験して欲しい。
KoheiOkutani

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