若者が理想を具現化するコンセプトでつくった共同体こそ、結局のところ規律や選民や醜聞で溢れかえってしまうというあるある。歴史的に何度もやらかされている事象なので、別に「若者」に限った話でもないのか。
それを『トレインスポッティング』あたりでキレキレのダニー・ボイルが撮ってるので、ドラッギーな雰囲気と青臭いモノローグ多用によって、初期村上龍のようないい意味で痛々しい空気が漂っている。
共感できるキャラクターが1人もいない方がいい構成の中で、主役をはったディカプリオがこれまた全く好きになれないキャラクター。
圧倒的なスター性の割に、焦ったり、キレ散らかしたり、女性を口説くのが下手だったり、情けない姿を惜しみなく見せてくれるのが真骨頂だと思ってるんですが、その全てがつまった歴代でも一番みっともない役柄だったかもしれない。
それを『タイタニック』ヒット直後の超大切なこの時期にやりきってしまうところに気骨を感じるし、そりゃ当時は低評価にもなってしまいますよね。
ただあらためてフィルモグラフィを眺めると、レオ様の負け顔フェチの私としてはその源流となったとても重要な作品としてしっかり楽しませていただきました。
ーーーーーーーーー
大麻畑を見つけたときにまず「ヒャッホー!」ってテンションあがるのは欧米人だからなのだろうか?まずは顔面蒼白になりそうな気もするのだけれど、とふと思った。
ーーーーーーーーー
ダニー・ボイルは同時期に『ファイト・クラブ』の打診も受けていたが今作を優先した結果、フィンチャーに白羽の矢が立ったとのエピソードも。若者の混沌を描かせたら当時のダニー・ボイルが無双していたことがよくわかる。