清順は何を撮らせても清順でしかない。その事が立証された意味でも凄い作品。角川映画全盛期にここまで尖った映像表現はなかなかお目にかかれない。原作は梶山季之。
ショーケンにジュリーに柄本明に田中裕子に樹木希林まで、オールスターキャストの完全な無駄遣いと言われようが構わない。この際ストーリー性を破壊して映像の遊びを楽しもうではないか。浅田彰じゃなくて浅田飴。🤗
公開当時、大正浪漫三部作と比べて批評家からボロクソ言われた作品だがまあそれも仕方ない。往年の木村威夫とは思えない美術の安っぽさと構成の稚拙さである。(いや、清順は最初から構成的なるものを目指すつもりは全く無いのだけれど)
とにかくギャグもアクションも悉く滑っている。
内容的にはカスだが清順らしいハイカラ趣味の炸裂したエンターテイメントを堪能する分には十分、許容範囲の作品。全編遊び心があり悪くない。