青山

ネクロノミカンの青山のレビュー・感想・評価

ネクロノミカン(1993年製作の映画)
3.8

ラヴクラフトを原作に、3人の監督が愛とグロを描くオムニバスムービーです。

まず、ラヴクラフトが"悪魔の書"を邪教の教会みたいなとこの図書室で見つけるという枠の部分は、第3話も手がける我らがブライアン・ユズナが監督。
プロローグこそありがちなものの、エピローグの方ではさすがの悪趣味さを見せてくれました。
そして各話については以下に......



1.The Drowned
『サイレントヒル』のクリストフ・ガンズ監督。
妻子を失った男が人体錬成に挑むお話です。

いつの世でも人体錬成に犠牲はつきものでありまして......。愛の深さゆえに悲劇になってしまうという物語によよと泣きつつもクトゥルフと聞いて真っ先にイメージするタコさん聖人の登場にはやっぱテンションも上がっちゃうし泣きながら「うへへタコさん可愛い〜」ってなりましたね。退屈な前半をぶっ覆すラストの狂騒的ぬるぬるバトルが最高。



2.The Cold
『デスノート』の金子修介監督。
若い女性が寒い部屋に住む医者のおっちゃんと恋しちゃうお話。

クライマックス以外グロ度は控えめながらお話が一番ちゃんとしてて、一番真っ当に面白かったです。
おっちゃん医者が良い人なんだけど抱えている秘密のために恋は悲劇的に終わってしまうというのが切ないですね。
で、その恋の終わり方というのがクライマックスでグログロのドロドロ。ほんとに、どろどろりんって感じでぐちゃどろりんです。
そして、その後の枠部分の結末も分かっちゃいながらなかなか衝撃的で、その怪奇な切なさの余韻がまじじわりました。



3.The Whisper
『死霊のしたたり』シリーズのブライアン・ユズナ監督。

警官のカップルがカーチェイス中に事故って、男の方が何者かによって近くの廃墟に連れ去られてしまう。女の方が追いかけると怪しい老人がいて犯人は"ブッチャー"だと語るが......。

一番ぐちゃぐちゃどろりん。
ストーリー性は一番薄いんですけど、とにかくグロい。そもそも舞台がなんか胃の中みたいなぬるぬる壁の地下室だし、人体を切断して切断面から髄液を吸ったりしちゃいますからね。最高にハッピーな気分になれますね♪
ありがちではあるけど、あの絶望的な演出も好き。赤黒と白のギャップの残酷さが堪らんす。





そして、再びラヴクラフト氏の図書館パートに戻ってエンド。
ここのハゲ僧侶ズルムケ事件がもしかしたら本作全体のグロ描写の中でも最も好きかもしれません。爆笑ものです。金庫の閉まり方も中二病感満載で最高!
どうも全体にラヴクラフトの原作の要素は薄いらしいですが、B級スプラッタホラーとしては最高に面白かったのでそんなことはどうでもよく素晴らしい作品でした!
青山

青山