セッセエリボー

惑星ソラリスのセッセエリボーのレビュー・感想・評価

惑星ソラリス(1972年製作の映画)
4.6
やっとタルコフスキーを素直に楽しめるようになってきた。ハリーが想像以上にかわいい。あと結構シリアスな場面でケルヴィンが自分のイニシャル入りパジャマを着ていることに気づいてしまって笑いがこらえきれなかった。
ナラティブのテクニックが段違いだ。初めてスナウトと話す場面での対話しながら互いの場所があちこち入れ替わるのをワンショットに収めるところ、会話が終わらないうちに風景に切り替わる追想そのもののような独特な浮遊感、とてもよい…。信じられないくらい緻密に計算されたカメラの動きには全瞬間クラクラする。水や火といった連続変化(ソラリスの「海」も)を捉えるという生涯の使命や空中浮遊する人というテーマも収まっていてたぶん一番バランスいい作品(ここからSFという説明的要素を落としたのが『鏡』と言えるかも)。
都心から車で行けるところにこんな景色あるんだな。八王子あたりか。