昔見た時は正直退屈な映画だと感じたが、久しぶりにテレビで再放送しているのを見かけてこの映画ってこんなに名作だったっけ⁉︎と最後までグイグイ引き込まれたのをきっかけに再度見直してみた。
ひとつひとつのシーンがとても丁寧に作ってあり、膨大な量のエキストラがちゃんと活かされている。
父親の悲哀と人生の悲喜劇が、セリフではなく映像によってこれでもかと表現されている。シナリオのお手本のような作品。
なかでも婚約披露宴パーティーの舞台裏で、お父さんがキッチンでひたすら客の注文するカクテルを作り続けるシーンは映画史に残る名シーンだと思った。
父親が娘の結婚に戸惑いながら、悲しみのなか送り出す、なんの変哲もないストーリーなのだが、観ている者の心に人生を肯定する気持ちが自然と湧き起こってくる不思議な力をもった映画だ。