ジュリアン・デュヴィヴィエ監督のアメリカ映画。
代表作「舞踏会の手帖」のアメリカ版と言ってよいほどよく似た作品だった。
ヒロインがとにかくめっちゃ喋る。人物の気持ちや、いろんなことを言葉で表現しようとするのがアメリカ的だと感じた。
ヒロインのリディアがアスペルガーぽい人物で、無神経な発言が多く共感できなかった。
この作品で何より存在感を放っていたのは、盲目のピアニスト役の俳優さん(ハンス・ヤーライ)。狂気を感じる演技が光っていた。オペラ座の怪人ぽくて魅了された。
ハンス・ヤーライはオーストリアの俳優兼劇作家、1930年代に多くの映画の主役として主演した。「未完成交響楽」でシューベルト役を演じ、本国ドイツでの評判は必ずしもよくなかったようだが、戦前の日本ではドイツ映画を代表する傑作と認められ大ヒットしたそうだ。
ピアニスト役がものすごくさまになっていたのは、すでに音楽家の役を演じて有名になっていたからなんですね。