ミーミミ

鳥のミーミミのレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
4.0
この映画が作られたのは1963年!
『大脱走』や『シャレード』『シェルブールの雨傘』『007ロシアより愛をこめて』が公開された年

この3年前にあの『サイコ』を送り出したサスペンススリラーの重鎮アルフレッド・ヒッチコック監督63歳の時の作品。

ストーリーテラーだった彼が当時まだ出回っていないパニックムービーを手掛ける際に使ったのは、やはりヒッチコックらしい技巧的展開と狙いすましたカメラワーク。

題名から察しがつく『鳥』の襲撃はひとつの恐怖的要素ではあるが、それ以上に前半から積み重ねていく登場人物の描写にどことなく日常らしくない不穏な空気を匂わせながらのヒッチコックマジック。

何かあるなーと観客に想像する楽しみを与えつつ、その期待を上回る恐怖を味わせる、突き落とし系。

年代に話を戻すと、当時アナログ全盛、CGなんて想像もしない時代、
今の若者が観たら笑っちゃうシーンもあるかも知れないけど、何もない中から想像力を駆使して、物語の恐怖を生み出すその情熱に思いを馳せながら、
ヒッチコックの『鳥』を楽しんでほしいなぁ。

オンタイムは生まれてないけど、小さい頃テレビで『鳥』放映という日は、前で正座して待ってたものです。

図書館の映画書コーナーで『ヒッチコック特集』とか見つけた日には夢見心地で開いたなぁ。


是非ぜひ、一度試してみてくださいましな。
ミーミミ

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