受け取りました
強い反核・反戦への意志
観てみないとわからないものです
ーーー文献より抜粋
この、大天才でも大サタンでもないただの1人の孤独な男を、現代のプロメテウス、ファウスト、メフィスト、フランケンシュタイン博士、はたまた狡猾な傭兵隊長、ハッカー・ネドリーのアイドルに仕立て上げ、貶める必要はどこから生じるのか。
そうすることで、誰が満足を覚え、利益を得るのか?
私が見定めた答えは簡単である。
私たちは、オッペンハイマーに、私たちが犯した、そして犯しつづけている犯罪をそっくり押しつけることで、アリバイを、無罪証明を手に入れようとするのである。
オッペンハイマーは「原爆の父」と呼ばれる。
これは女性物理学者リーゼ・マイトナーを「原爆の母」と呼ぶのと同じく愚につかぬ事だが、あえてこの比喩に乗りつづけるとすれば、オッペンハイマーは腕の確かな産婆の役を果たした人物にすぎない。
原爆を生んだ母体は私たちである。人間である。
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「ロバート・オッペンハイマー
愚者としての科学者」より