突然人間を襲い始めた鳥たちの
脅威を描いたサスペンススリラー。
前作「サイコ」がドラマ性溢れる
王道サスペンス作品であったのに対して
この作品はかなり異色なサスペンス作品。
端々に鳥の不気味な影がチラつくものの、
特にそれがピックアップされることもなく
何でもない毎日が進んでいく。
そしてその日常の中に突如として
無数の鳥たちが侵入してくる瞬間の戦慄。
その鳥たちの姿があまりにも生々しくて
メチャクチャ恐ろしい。
そしてあれよあれよと深刻化していく被害。
それすらも淡々と見せてしまうので
(まるでそれも日常の一部であるように)
ものすごい異常な状態なんだけど
説得力があるし、すごく不気味。
そして後半の破滅的な絶望感。
最初は前半のドラマ部分が
ちょっと冗長じゃないかな、と思いましたが
ここまで観てその必要性が分かりました。
あそこからここまで持ってくるとは…
と感嘆するばかりです。
日常が崩壊していくまでのプロセスが
非常に丁寧で素晴らしい。
鳥による襲撃もワンパターンになっておらず
最後まで全く飽きませんでした。