エルが、最初は男性の最高の客体として選ばれるために法学部に入学したけど、努力して成功して、最後はちゃんと最高の主体的な個人として卒業したのが良かったです。
原題のLegally Blondeも、「Legally=お堅い=黒髪」という固定観念と「Blonde=金髪=バカ、間抜け」という固定観念をくっつけて、努力でそれらを打ち破ったエルのお話にぴったり。それなのに、邦題は「キューティ・ブロンド」という、ひたすらエルを金髪の可愛い女の子として客体化するだけのゴミタイトルなの、さすがに笑えない。
被告人と不倫したという証人の偽証を証明するために、その証人がゲイであると法廷でアウティングしたのは、弁護士倫理上どうなんだろう。偽証していたとはいえ、個人の性的指向のアウティングは場合によっては不法行為責任を構成するおそれもあるし、ましてやそれを公開の法廷で予告なしに一方的に行うのは、責任を問われても仕方ないとは思うけど。ただ、刑事事件での偽証に対する反証という重要性もあるので、それしか証明するための事実がないみたいな補充性があれば良いのかな…?ただ、同性愛者でも差別を避けるために異性と結婚した人も存在するので、同性愛者だから異性と不倫はしないという推論にどこまで経験則としての強さがあるのかも疑問。いずれにせよ、本作はミュージカルも作られてるそうなので、今の時代で焼き直す場合には、こういった描写はなくなっていてほしいです。