ろく

博士の愛した数式のろくのレビュー・感想・評価

博士の愛した数式(2005年製作の映画)
4.0
数学は好きですか?③

原作も好きだし、小川洋子さん自身が数学大好き作家なんで(ちくまプリマーでは数学本も出している)、嫌いじゃないよね。

そもそも数学者と精神の病の親和性ね。これがほんとドンピシャなんだ。どっちも「こちら側」だけでなく「あちら側」を見る事が出来る行為だと思う。だからだろうか「こちらでは生きづらい」。でもそれは「こちら」の価値であるだけなんだ。その一方で「あちら」の価値の大事さも僕はあるのじゃないかなぁと思っている。精神の病をただ「病」としてとらえるか。それとももう一つの「世界」としてとらえるか。それは大事なことなんじゃないかな(中島敦の「狐憑」を思いだす)。

映画としては寺尾聰演じる「博士」がなんとも優しくて素敵だ。友愛数のネタや野球ネタなどをとつとつと語り、何よりも子供を優しくするこの演技に見入ってしまった。ここにあるのは教員が理想ととる姿かもしれないとね。

そして深津絵里がまたいいこと。最近見なくなったなぁとこの映画を見て思ってしまった。勿体ない。カマトトというなかれ、これくらい深津絵里は何も知らない感じがいいのかもしれません。男は馬鹿だからすぐ騙されるね(誰にだ)。

「靴のサイズは?」「24です」「それなら4の階乗だ」これ使いたくなってしまうなぁ。ちなみに僕の名前は「ろく」なんで「3の階乗」でありしかも「完全数」でもあるというなかなか粋な数なんです。今度自慢しよう!

※本日の問題
花子さんは5回に1回は忘れ物をする女の子です。今日は友達A、B、Cの家に遊びに出かけました。家に帰ると帽子を忘れていることに気付きました。あら忘れてしまったわ。Bの家に忘れてしまった確率を求めなさい。これ簡単そうに見えるけど早稲田大学入試問題なんです。
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