博士の愛した数式の作品情報・感想・評価・動画配信

「博士の愛した数式」に投稿された感想・評価

ちなぴ

ちなぴの感想・評価

4.0
泣けた。博士は忘れてしまうけど、ルート君は忘れない。数学教師になったきっかけ。
タイトルに名を冠する博士のことを知るには次の挨拶が分かりやすい。
初対面の人に対して「好きな数字は?」と聞いたり、靴のサイズ(24)をきいて「4!(階乗)だね」と言ったり。

基本的には80分しか記憶が持たない博士と、そこにやってきた家政婦とその息子の触れあいの物語。だが、途中途中に数学が散りばめられていて、昔数学が好きだった自分としてはそちらも楽しめた。

「数学の美しさを証明することはできない。星がなぜ美しいかを証明できないように」という博士の一言がある。
数学の美しさは確かに証明できないかもしれないけど、美しい公式は存在し発見することはできる。数学者とは、公式と言われる美しい【関係】を、ひとつでも多く世界の中から見つけ出そうとしているのかもしれないと思った。

その一つである、劇中にも出た虚数iの成り立ちは面白い。その2つをかけて「-1」になる数字は最初存在しなかった。だけど、あるとしたら、で考えた人がいた。滅茶苦茶すごい。存在しえないものがあるとしたら、都合の良い世界があるとしたら、で虚数iを発明した。
仮定で考えるだけならSFと変わらないが、虚数iが面白いのは、虚構で始まった存在がいまや物理学など様々な分野で公式化されて虚構ではなくなっているところ。

博士は80分しか記憶が持たない。家政婦とは毎回初めましてで、毎回同じような挨拶と反応を繰り返す。同じことを繰り返すというのは、その人の中での「正解」が変わらないということなのかもしれない。劇中の博士への挨拶でいうと、「靴のサイズは24です」は不正解で、「靴のサイズは24、4!(階乗)です」が正解になる。
正解とはどう決まっていくのだろうか。記憶のない博士の【正解】は10年前で止まっている。「真実は目に見えない。肝心なことは心で見なくちゃ」と言った博士にとっての真実はなんだろう。
博士が完全数を説明するのを見てふと、完全と真実は同一なんだろうかと思った。完全数はデカルトが定義したもので、その数以外の約数を足すとその数になるものである。
考えた末に「それが完全であることは人間が決めるが、それが真実であることは人間が決められない」それが完全と真実の違いかもしれないと至った。
数学の美しさを完全に見つけたとき、それは数学の真実に辿り着いたと言えるのだろうか。その時はまた、実数にとっての虚数iが現れたように、数学で辿り着けない虚学jが現れるのではないか。終わりのない物語のようにも感じられる。

ところで、「真実は正しい」のだろうか。「真実でないものは正しくない」のだろうか。虚学jがまた現れるように、人は一生の内に【真実】を手中にすることはできないだろう。だとするなら、真実に追われるよりも、その人にとって何が【完全】であるかを考える方が、その人にとって【正しい】のかもしれない。
人間とは真実から見れば制約の多い存在である。博士もまた制約のある生き物だ。80分しか記憶が持たない。
でもそういった制約がどれだけ、その人にとっての正しい生き方を阻害するだろうか。
数学者である博士の愛した数式は、「e[iπ]+1=0」で表されるオイラーの公式。これは博士に似ている。博士という「e[iπ]」に、80分という「1」を足すと0になる。記憶がリセットされる。
映画を見て思ったのは、e[iπ]が0になるまでには、実は様々な過程を辿れるということだ。
例えば、
e[iπ]+0.5+0.5=0
e[iπ]+1.5-0.5=0
博士にとって今までの家政婦は「ただの1」にすぎなかったかもしれないが、深津絵里演じる家政婦やその息子ルートと過ごした時間は「0.5+0.5」だったり「1.5-0.5」だったりした筈だ。最初は部屋にこもっていた博士もどんどん外に出て活動的になっていった。
朝丘ルリ子演じる博士の兄の嫁への手紙に書いた「e[iπ]=-1」は、公式がずっとマイナス1であるように、義理姉と博士の間にできて堕ろした子供は永久に取り戻せないことを示していた。
だがこの式は見方をかえれば「e[iπ]+1=0」となり、先程の話に戻る。
その人が描き出す完全、その人が真実まで辿れる極限は、最早その人にとっての【真実】なのかもしれない。
博士は自分が80分しか記憶が持たないことに苦悩していたが、最後に怯えることを受け入れて生きていくことにした。80分での出来事を博士にとっての【真実】として受け入れることにした。
これは私たちにも当てはまる。博士が80分しか記憶がもたないように、我々も80年程しか命がもたないのだから。結局、制約の中でいかに「1」を足していくか、ということしか人間にはできない。逆にいうと、「1」の足し方が その人にとっての生き方なのである。
オイラーの公式を学校で習ったとき「オイラ(俺)の公式!w」と冗談で言っていたが、いかに人生を愛せる式にするかを見つけるという意味では、私もまた一人の数学者なのかもしれない。
1qq8

1qq8の感想・評価

5.0
柔らかくて優しくて、ほんとに好きな映画。登場人物がみんな優しいのでその優しさに泣けてくる。人物の表情とか、音楽とか、全部良かった。これが文章では出せない映像の良さだなあと。
小説からやや改変してるところもあるけど、いい映画。ラストちゃんと書けばいいのに。原作のラスト泣いた。
かめこ

かめこの感想・評価

4.0
心の浄化系映画。
博士と家政婦とルート。誰1人名前が出てこないのに隣人のような暖かさを感じる作品でした。
深津絵里さんはこういった役が本当にハマりますね。何してても可愛すぎるという奇跡だと思います。
博士の孤独を何度も何度も溶かしていく母子の姿には胸を打たれます。
数学の知識はほぼ消えかけてたと思ったのですが意外と覚えてたみたいです。
ミキオ

ミキオの感想・評価

3.5
原作小川さんの対談読んで、見ることにしました。
子どものころから数学は好きになれなかったけど、大人になった√のような先生に出会えてたら違ったなぁと。
素数はわたしたちの世界でいうオンリーワン。
そんなふうに言える博士を好きにならずにはいられない、優しい作品でした😊
n

nの感想・評価

5.0
ほっこりしすぎて泣きそうだった。
これから心が落ち着かない時は直線を書く。
博士と家政婦と√の関係が素敵。
それ以上に、数学の先生になった√の自己紹介が素敵。
サラ

サラの感想・評価

4.0
勉強嫌い😜数学なんてさっぱり💦の、おバカな私だけど、数学が楽しくて面白いものだったのだと知ったし、博士の愛する数式に、めっちゃ感動して泣けた💧
優しい気持ちになれてとても良かった✨
ゆう

ゆうの感想・評価

3.3
とっつきにくいかなぁと思ったけどそんなことなかった

博士の柔らかい雰囲気が好き
>|