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座頭市と用心棒の書庫番のレビュー・感想・評価

座頭市と用心棒(1970年製作の映画)
4.5
2018年10月20日 Amazonビデオにて視聴。

勝新太郎の当たり役『座頭市』シリーズの20作目にして最大のヒット作。
それもそのはず、世界のミフネこと三船敏郎をゲストに迎えるばかりか、彼が黒澤映画の『用心棒』、『椿三十郎』の主人公を彷彿させる”用心棒”として市と張り合うドリームマッチ。

フィルマークスのレビューに於いては、「vsものによくあるパターン」との声も散見するが、それを前提によく練られた脚本と、個性豊かで時代劇ファンがワクワクする豪華なキャスティングは見ごたえ十二分。
流石に、あまり”用心棒”に寄せられないので、金に汚かったり色事にも
引っ張られたりする用心棒・佐々大作のキャラは、これはこれで魅力的。
その中で時折見せる”用心棒”感に観る側はニヤリとさせられる。

テレビドラマの『座頭市』を視た記憶はうっすらと残っていたが、劇場版の『座頭市』は初鑑賞。
ここに来て、曲者・市を楽しそうに演じる勝新太郎の魅力を再認識した次第である。
世を諦観してるようで強かに生き抜く市の人間臭さが炸裂するラストが良い。

主役二人の他にも、冷酷な隠密・九頭竜役の岸田森、粗暴だが頼りないヤクザの親分・米倉斉加年、市を慕うチンピラ役の寺田農など魅力的なキャラクター満載で楽しい。
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