アトミ

死の王のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

死の王(1989年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

70点

「死の王」をノートに描く漢字柄赤いワンピース少女。

男の死体。

我が死によって 秘密は守られた。
ラスネール



月曜日。
手紙を書く男A。「死体のヴィジョン」が浮かぶ。
会社にTELし、退職を申し出る。
そして数日後。風呂場で大量の薬を飲み、自殺した。
そして飼っている金魚も同時に死んでしまう。
まるで「死」は連鎖するかのように。



火曜日。
ポストから手紙を取り出し、その足で近所の馴染みレンタルビデオ店を訪れた男B。
レジに選んだビデオを1本持って行く。
手続きの間に、先程の手紙を読む。
それはAからの手紙。彼が自殺したことを知る。

Bは部屋に戻り、借りた「ゲシュタポの死の天使」をビールを飲みながらゴキゲンに観る。

ナチス・ドイツ女兵が捕虜のチンチンを植木バサミでちょん切る。
ハイルヒトラー!

と、嫁さんが買い物から帰って来てグウタラBにグダグダ小言を言い始める。
「死体のヴィジョン」が浮かぶ。
Bはソファーの隙間から銃を取り出し、嫁さんを射殺。
壁に飛び散った脳ミソに額縁を打ち付けた。

という映像を観ていた女C。
も、部屋で首吊り自殺した。



水曜日。
雨の中歩く女D。
Aからの手紙を受け取っていた。
「死体のヴィジョン」が浮かぶ男Eの隣に座る。
Eはデカめの独り言を話し始める。

愛してる妻が交尾の度に大量に出血する事で不大安。
が、医者に診てもらっても異常なし。
妻も「大丈夫。心配ないし、あなたの(やり方)せいでもないわ。」と責任を感じてるEをなだめる。が、その楽観的で上からな態度にイラつく。
結婚記念日。優しく、優しく、今度こそ上手くヤろうとした。が、最中に突然妻は泣いてしまった。察した。
その時、ダムが決壊したかのごとく怒りがスパーキングしてしまい、思い切りチンチンを突き刺した。と、大量出血した。

Dはバッグから銃を取り出し、Eの顔面に突きつけ、引き金を引いた。が、空砲。
Eは銃を奪い取り、スライドさせ、銃口を口に咥え、引き金を引いた。
飛び散る脳ミソ。

「死体のヴィジョン」
死体は徐々に腐敗して行く。
九相図の如く。



木曜日。
ハイウェイ高架下の映像が流れる。

ハイケ・フリードマン23歳、教師。
ハインツ・クライナート31歳、実業家。
ベルント・プフラグ11歳、小学生。
イグナツ・ホファー83歳、農業。
ナディーン&ニコル姉妹16歳、女学生。
マシアス・ローベック医学博士37歳、婦人科医。
マルギット・シュワム17歳、訓練生。
カール・ブッフナー66歳、年金生活者。
ハンス・ユルゲン・ゼルナー46歳、無職。
ゲルハルト・クラム53歳、株式仲買人。
リスベト・ショル48歳、主婦。
ベッチーナ・フィスター27歳、女学生。
メーメット・コーゼ40歳、飲食店主。
アルチュール・ヴィーゲナー71歳、役者。
彼らはココ(高架下の歩道橋)から身を投げたよう


「死体のヴィジョン」
死体はどんどん腐敗して行く。
虫に食われて行く。
九相図の如く。



金曜日。
アパートの窓から外を見る熟女F。
向かい死の階の窓でイチャイチャするカップルを見る(ちょっと嫌な顔)。
Fは部屋から出て、そのイチャイチャ部屋を郵便受けから中を除く。
部屋へ戻り、電話帳を調べ、イチャイチャ部屋にTELしてみる。が、出ない。

Fは諦めて、手紙を読む。
それは「自殺を促すチェーンレター」だった。
我死ぬ。故に我あり。
Aが送っていたのはコレだったようだ。
が、Fは手紙を破り捨てる。
酒を飲みながら、チョコを食う。
オルゴールを鳴らす。ソファーに横になる。
そして両親の交尾を見てしまった幼少期の夢を見た。

目を覚ましたF。
あのイチャイチャ部屋が気になり、窓の外を除く。

その頃。
イチャイチャカップルはベッドで心中していた。


「死体のヴィジョン」
死体はどんどんどんどん虫に食われ、どんどんどんどん白骨化して行く。
九相図の如く。



土曜日。
フィルム映像を確認する男達。

フィルム1巻目。
映像の中の人物は、庭で銃を試し打ちしているシーン(自分目線映像)。

と、場所は変わり、空き地?
ドット赤いワンピース女Gがカメラをセッティングし自撮り。
フレーム内の赤いワンピースの少女の隣にGは座り、「大量殺人者の性質とその殺人の正当性」が書かれた本を読み聞かせる。

と、場所は変わり自室。
手放しで自分目線映像を撮影できる「カメラ固定器具」を体に装置するシーンをGが自撮り。

フィルム2巻目。
目線映像。ライブハウスへ入場。
受付の男を射殺。
ホール内へ。
ステージ上のバンドメンバーを射殺。
観客も次々射殺。ホールはパニック状態。
と、観客が拾った銃で反撃。
カメラが壊れ、映像はここまで。

フィルム3巻目。
PAルーム(ホール一番後ろ)からの映像。
Gが写っていた。


「死体のヴィジョン」
死体はどんどんどんどん虫に食われ、白骨化した。
九相図の如く。


日曜日。
ベッドから起き上がる男H。
が、ベッドで泣きながらのたうち回る。
床を転げ回る。
発狂しながら壁に頭を何度もぶつける。鼻血出る。天井が回る。

「死体のヴィジョン」が浮かぶ。
発狂して頭を抱える。
壁に頭を何度もぶつける。床に倒れ込む。


白骨化した死体。
子供達の遊ぶ声。
オープニングの「死の王」をノートに描く漢字柄赤いワンピース少女。
「死の王は生きるのを止めさせる。」






というお話。
3になってまっすぐ死をテーマに。
アトミ

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