風来のリヨナ

死の王の風来のリヨナのレビュー・感想・評価

死の王(1989年製作の映画)
4.0
”我死ぬ 故に我あり”

月曜日、辞職した男の死を選ぶまで。
火曜日、ナチスの拷問ビデオを借りた男性。
水曜日、セックスの度に出血が酷いという妻を持つ旦那。
木曜日、高架線路、電車の音と共に淡々と流れる人名。
金曜日、同アパートの近隣青年をストーカーしてるお婆さん。
土曜日、大量殺人者によるFPSな映像。
日曜日、一人ベッドで泣き喚き暴れ散らす半裸男性。

”死の三部作”の3つ目!
『ネクロマンティック』を離れて、腐敗していく1つの死体をお供に展開される死にまつわる一週間のオムニバス。日常的に何処かで誰かが死んでいる、そういう風なことだと思う。ただ、かなり難解目で直接的な描写は控えめ。物足りないよ!

大量の蛆に塗れて無くなっていく死体は仏教の”九相図”を思い出します。幕間であるこっちの方が見てて楽しいかも。
木曜日の銃の悪魔感と日曜日の発狂おじさん結構すき。

個人的に気に入ったのは、月曜日のくるくるシーンの忙しそうさ、”生など時代遅れだ!”と、『ビデオドローム』の謎のパンフです。
風来のリヨナ

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