みむさん

シャネル&ストラヴィンスキーのみむさんのレビュー・感想・評価

3.0
2008年、2009年に作られたシャネル映画が3本劇場公開されたけど、そのうち本作だけ見逃していた。

描かれた時代を時系列で並べると「ココ・アヴァン・シャネル」→「ココ・シャネル」→「シャネル&ストラヴィンスキー」の順番かな。

本作ではシャネルはすでに成功していて、ボーイ・カペルはすでに亡くなっていて、ロシアの作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーと出会い惹かれあう話。

シャネルって恋多き女性って印象。本能や直感に従ってる感じ。なので、恋愛に関してはあまり体裁とか気にせず、不倫だろうが愛人ポジションだろうがお構い無し。言い換えればとても純粋で恋愛に関しては邪念が無いなんだろうと思う。

そんな自由人がいる一方、ストラヴィンスキーの妻がかわいそう…二人の関係を見せつけられ病気持ち、子供を育て、辛抱を重ねたに違いない。彼女に報いがあってほしかった。

偉大なるデザイナーと偉大なる作曲家、その儚くも情熱的な愛の陰に隠れた形のストラヴィンスキーの妻に同情しっぱなしだった。
アーティストの妻は大変だとか、それを支える妻はすばらしいと言われがちだけど、妻側が犠牲にすることが多すぎる。時代が違えばもう少し状況違っただろうね。

こんなドロドロな不倫メロドラマなのにそこまでゲスい印象がないのは、セットや衣装・宝飾品の美しさと「シャネル」の力だろうなぁ。
ラスト数分は無くてもよかったんじゃないか?とは思う。

シャネルはお仕事成功だけでなく、いろいろとスキャンダラスな人生(?)だったみたいだし、どの時代を切り取っても映画に出来るわけだわ。