「FAKE」
人についてしまった嘘
人を傷つけてしまった嘘
人を騙してしまった嘘
人の信頼を踏みにじってしまった嘘
世の中がついている嘘
世の中が見て見ぬ振りをする嘘
あるいは
世の中を一つの観点からしか見ないコト
世の中を一つの観点から見せようとするコト
なんで、人は人の嘘が許せないのだろう?
なんで、人は人の失敗を許さないのだろう?
それなのに
なんで、人は良い方向しか見せない世の中の嘘を許してるんだろう?
なにが本当でなにが嘘かなんて、どうやってわかるんだろう?
嘘をつかないコトがそんなに偉いのか?
みんなのお手本になることがそんなに偉いのか?
誰かを傷付けたり、誰かを貶めたとしても、本当のことを言うことがそんなに偉いのか?
吐いて楽になることが偉いのか?
呑み込んで苦しみ続けるコトは、なに一つ偉くないのか?
僕はそんな風には思えない人です
信用されなくたって構わない
僕は自分から逃げたくないなって、強く思った
それは
嘘とか真実とかは関係ないところにある
手に取りやすいものや分かりやすいものを盲信して、みんなと同じような言葉で、みんなと同じタイミングで一斉に何かをこき下ろし、簡単に信じては勝手に裏切られたと糾弾し、迫害するような人にはなりたくない
世の中の嘘が許せない
反する意見を見て見ぬ振りし、耳を貸さない世界が許さない
美化された世の中の欺瞞が許せない
そんなものが当たり前にまかり通る世界なんかぶっ壊してしまいたい
だけど
騙されたっていい
馬鹿だねって言われていい
人の嘘を許せる人でいたい
人の失敗を許せる人でいたい
ちゃんと耳を貸せる人でいたい
人の気持ちや立場や考えを理解できる人でいたい
僕は優しい人になりたい
真実が白か黒かなんて、本当はどうでもいいんだと思う
それぞれが何色に捉えたかの方がずっと大切で、ずっとずっと価値あるもの
本当のことなんていらない
"信念のない人たちがつくる、目の前のものを使い捨てながら他人が興味引く形にするだけの仕事"で組み立てられた、ニヤついたクソみたいな真実で出来た豪華客船より
信念を持って組み立てられた、核心を突き、真に迫るフィクションで出来た、ボロボロの船に乗る
僕も船に乗る
それが、僕が映画を観る理由
この映画を観た理由
この映画で得た答え
何を信じるかは、ひとそれぞれで
僕の頭の中は矛盾だらけ
それでもいい
それでも僕は、優しい人になりたい
ハンバーグや
豆乳や
猫ちゃんや
ケーキや
音楽や
愛のように
ハンバーグや
豆乳や
猫ちゃんや
ケーキや
音楽や
愛に含まれた優しさは
本当でしょ?
ハンバーグが作られる時、涙が流れた
僕は優しい人になりたい
僕はここにいて、たくさんの選択肢と、僕なりの視点と意見を持ち合わせていて、それができる限りフェアで、ファニーでシニカルで、残酷だけど、深く深く優しくあることができればいい
それだけで十分だよ