月うさぎ

地球が静止する日の月うさぎのレビュー・感想・評価

地球が静止する日(2008年製作の映画)
2.0
うっかり「地球の長い午後」の映画化だと信じ込んでいました。全然違って、昔の映画のリメイクだそうです。
キアヌ・リーヴスが出演している事につきる映画でした。
みんなの期待通りにいい人…じゃない、いいエイリアンなこと。
無表情がとても似合う俳優でしかもそれがソフトに映るのですよね。
それ以外は、意味不明な映画でした。

ジャッキー・チェンの「ベストキッド」に出演していたウィル・スミスの息子がジェニファー・コネリーの義理の息子を熱演しています。
子役の賞を取ったらしいです。
熱演過ぎて小憎たらしくて全然可愛くないです。
継母と継子の真の愛情に宇宙人が感動して…という設定はあまりにも無理。

私も人類は地球に害をなす寄生虫だと感じています。
地球は人類の物ではなく、映画の言葉を借りるなら「複雑な生物が生存可能な」宇宙でも希少な大切な惑星なのです。だから高等文明の種が地球を護りたいと考えたのは、まあわかります。そういうSFは60年代ごろから、いくらでもあるので。

しかしこの映画の原点が全然SFじゃないところが致命的な欠点です。

これは単なる「ノアの箱舟」現代版なのね。
神の代わりに宇宙人。箱舟の代わりが球体飛行物体。つがいの動物の代わりにDNA採取。
そして人類絶滅の最終決定がたった一人のエイリアンによって決断され、その手段がまた…
イナゴの大群なのか?このモトネタは?

「私たちは変われる。絶滅の危機に瀕して、人類は初めて進化できるのだ。チャンスをくれ」
その訴えにはちょっとジーンとしましたが、それ、アメリカに言い返したいですね。
彼らが中東や様々な国にやってきたことはこの宇宙人と同じ、「絶対神の論理」だからです。そして彼らは耳を貸さずに殺戮に向かいました。そしてこれからも同じ論理で戦争を仕掛けることでしょう。
日本も引き込みながら。
なんて、余計なことまで考えてしまいました。

この映画、アメリカ大統領が最悪に役立たずでした。
実際のアメリカの大統領、このままだったら怖いですね。トランプ大統領なんかヤバかったですよね?と、いいつつも、実は彼の在任中にはアメリカは新しい戦争をしなかったし、ロシアも他国に戦争を仕掛けなかった事実があるのですが…。まぁ、それはそれ。今後の世界情勢は日本にも影響が多大なので注視したほうがよさそうですよ。
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