ShunHattori

トゥルーマン・ショーのShunHattoriのレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
3.5
「今を生きる」のピーター・ウィアー監督と「ガタカ」のアンドリュー・ニコル脚本と主演ジムキャリー。
壮大なドッキリというコメディ設定を人間の尊厳に転じさせたアンドリュー・ニコルの脚本が光っている。

ジム・キャリーに関しては可もなく不可もなくといったところ。俳優としては大好きだけど「二人の男と1人の女」程の名演では無かった。
ジム・キャリーよりもプロデューサー役のエド・ハリスよりもなによりも名演なのは、妻役のローラ・リニーの演技だ。
彼女が終始みせる作り笑い、ワザとらしいたどたどしい台詞、合間に見せる外界へのアプローチがこのトゥルーマンショーの世界の空虚さを見事に表現している。
深夜の通販番組で商品を褒めまくっているオバさんタレントと肩を並べる程の空虚さ。

この空虚さを前半から中盤にかけて作れたからこそ後半の大海原へ旅立つところで叫べる。ここではないどこかへ向かう充実を知るのだ。ジム・キャリーも僕らも。

いい映画はいい脚本がないと作れないと言うが、いい助演もいないとな!と思わせる映画。
ShunHattori

ShunHattori