深津絵里さんと妻夫木聡さんの主演2人の演技に注目が集まるのは非常に納得がいく。
おそらくこの2人じゃないとこの映画はここまで評価されなかっただろう。
しかしそんな主演2人以上に脇を固める役者の人たちの演技がなければ成り立たたなかっただろうとも思う。
特に被害者の父親役を演じた柄本明さんと加害者の祖母役を演じた樹木希林さんがいなければこの作品が伝えたかった事の半分も伝わらなかったのではないだろうか。
内容としては
キャッチコピーでもある「誰が本当の悪人なのか?」という話なんだけど、本当の悪人はこいつだ!なんていうミステリー映画なんかではなく、ただ一つの事件に関わる人間の苦悩、葛藤を描いている非常に重く苦しい映画
善悪というテーマをもったこの作品は、それを分別してしまうことと、分別できないこととの両側面に問題を投げかけているんだけども、劇中ずっと感じるヒリヒリとした感覚は、そういった両側面に自分自身の"感情"と"倫理"がくっついては剥がれてを繰り返されているからだろうね。