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トゥルーマン・ショーの93n35i5のレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
3.4
人生全てが誰かに監視されていたとしたら⁈
本作の主人公トゥルーマンは生まれた時から全ての時をテレビ放送され世界中の人々に視聴されていた。このトゥルーマンが我々の社会の縮図として揶揄された存在だというのは明瞭。だからこそトラジコメディ的作風に笑いを起こしながらもひんやりとした恐怖も感じる。
実際街中には至る所に監視カメラがあるし(トゥルーマンの世界のように隠されることなく堂々と)軍の人工衛星からは見られないものは無いらしい。地球のどこにいようがターゲットとなる人物は追跡出来るし、手に持った書類までも鮮明に読めるのだとか。また、携帯機器による情報の抜き出しやメディアによる思考操作(作中にあるようなサブリミナル効果は勿論、他にはサイオプスなど)によって知らずのうちに思考のみならず行動を操作されている。各種カード制やナンバー制による個人の掌握、気象操作、人口操作(人々の生死の操作)、果てや隣人や身内の人間が本当は思っているような人間ではないかもしれない。
トゥルーマンは偽の世界からの抜け口を見付け幾分爽やかなエンドを迎えたが、我々の現実世界はまだまだ我々に偽りの姿を呈しているという点で、ある意味ではいまだに人類一人一人がトゥルーマンであるのかなと。
映画としては正直ツッコミ所が多々だったが、こういう切り込んだ寓話的作品は訴えかけるモノがあり面白い。
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