imapon

悪人志願のimaponのレビュー・感想・評価

悪人志願(1960年製作の映画)
3.7
この度のシネマヴェーラ特集は「日本ヌーヴェルヴァーグとは何だったのか」と銘打っているが、鑑賞後まさにそう呟きたくなる珍なる作品。

「太陽の墓場」で初めて観たギラつく太陽と汗がにおい立つよな炎加世子がここでも良い。
津川雅彦らが炎加世子に行う排斥がどうにもこうにも小学生のいじめレベルで苦笑を禁じ得ない。
その妹月丘昌美は兄に憧れつつも、父の権威を笠にする兄のやり方に反発しているが自分に好意を寄せている飯場の青年を弄び、逆上されピンチになると父や兄の権力にすがる捨て台詞「言いつけてやるから!」このお嬢さん最高だぜ。と思わせる。
圧巻はラスト、崖上から飯場の群衆が強烈な圧を持って見下ろすシーン。
ドキドキするほどだけれど、石コロが落ちてくるに留まり・・・日本ヌーヴェルヴァーグとは何だったのか?と終わる。
imapon

imapon