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シリアの花嫁のtheocatsのレビュー・感想・評価

シリアの花嫁(2004年製作の映画)
2.2
「我々は譲歩した」というイスラエル視点

視聴中気になったのはどこの製作かということ。見終えた後に調べたらイスラエル・ドイツ・フランス合作。

本作は「イスラエルは譲歩したのに、シリアが頑なに撥ね付けた」ということを印象付けたかったのだろう。
イスラエルの法的手続きが嫌ならパスポートなしで亡命するしかないですよと。

元はと言えばイスラエルという中東の癌みたいな国家が、国際的には認められていないにもかかわらずシリアゴラン高原を軍事占領し実行支配を続けていることが発端。

イスラエル視点と勘繰るなら、ロシア系ユダヤ人女性と結婚した花嫁の兄が、シリア人の父に夫婦そろって邪険にされていたのにラスト間際でようやく和解した場面も「あなた方シリア系も遅かれ早かれイスラエルに同化せざるを得ないんですよ」というメッセージに見えてくるというもの。

かの地の深刻な状況を知らしめてくれた意義は大きいが、何とも後味の悪い映画。

2.2の二つ星

002012
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