ぐっない

秘密の花園のぐっないのレビュー・感想・評価

秘密の花園(1993年製作の映画)
4.7
あまりの美しさに苦しくなってしまった。私も幼い頃はこんな世界を空想していたし、美しさを世界の中に見いだせていた。幼稚園の近くに野原があって、今思えばあれは小さな場所だったけれど、あの頃の私にとっては大きな花園で。季節の仕組みを分かっていなかったからどうしてこんなに咲く花が変わるんだろうと不思議に思っていたけれど、どの花も等しく美しく、青く小さな花は可憐で、赤い花は南国のようで、一面黄色の場所に埋もれることが好きだった。そのことをもうずっと忘れていたけれど、この映画を観ていたら急に思い出して、すこし、寂しくなった。
今の私は、コリン大丈夫かなあ...とか、メドロック夫人可哀想だな...とか、おじさんひどいな...とか考えてしまって、それは悪いことじゃないのに、寂しくなった。

きっと、ずっと、ファンタジーが好きだ。
ファンタジーは孤独との付き合い方を教えてくれたように思う。私は、目を瞑れば私だけの世界をつくりだせる。
でもちゃんと、現実だって美しいことを知っているよ。
雲も月も、もう私を追いかけないけれど、かわらず美しい。
ぐっない

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