あんがすざろっく

ビューティフル・ガールズのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ガールズ(1995年製作の映画)
4.0
観る前は、青春映画だと思っていたんだけど、観終わると、これは群像劇だと感じました。マット・ディロンに、ティモシー・ハットンですからね、80年代の青春映画のスターですよ。彼らが自らの青春時代を振り返るんです。ティモシー演じるウィリーが、同窓会に出席する為に、故郷に戻るところから物語はスタートします。ニューヨークからバスで何時間も揺られ、雪が降り積もる我が故郷。ディロン扮するトミーら親友達は、ウィリーを温かく出迎える。みんな青春時代はとうに過ぎ、もう中年に近い年齢だが、みんなが集まると、それだけで幸せそうだ。誰もが多くの悩みや挫折感を抱きながら、仲間とのひと時を楽しんでいる。そんな彼らの街に、1人の女性が現れる。彼女の名前はアンデラ(演じるはユマ・サーマン)。美人で気さくな彼女は、すぐに人気者となり、ウィリーの仲間達は少しでも彼女の気を引こうと躍起になる。そして、ウィリーの実家のお隣にも、マーティという少女が引っ越してくる(ナタリー・ポートマン‼︎)。まだ13歳の彼女に、ウィリーは心惹かれていく。まぁなかなかのキャスティングですよ。勿論主役はディロンらですが、「ビューティフルガールズ」というだけに、女優達が実に素晴らしい。まずはアンデラ役のユマ・サーマン。ウィリーに「君が一番幸せを感じる時は?」と聞かれ、「夜くつろぎながらヴァン・モリソンを聴くの」って、それだけで無性にヴァン・モリソンを聴きたくなってしまうこの求心力(笑)。いや、でも本当にヴァン・モリソンいいんですよ。作中ウィリーに「彼女はこれからきっといい女になる」と評されたマーティことポートマンは、本当にその後いい女になりました‼︎トミーの彼女役シャロンにはミア・ソルヴィノ、一途にトミーを愛します。そのトミー、シャロンがいながら、高校時代の彼女、ダリアンとも未だにダラダラと関係が続いている。そのダリアンを演じたローレン・ホリーの憎ったらしさと言ったら‼︎これはこれでなかなか上手いんです。同窓会で食らうカウンターパンチは、彼女をたじろがせます。世の女性の味方、ロージー・オドネルの強烈なキャラクターも見ものです(笑)。自分の将来に希望を持てないウィリー、高校時代のスーパースター、トミーは、その栄光を捨てきれずにいる。それぞれが、自分達の人生に少なからず向き合います。また、音楽もいいんですよ。サントラには、僕が名前を知っているアーティストはあまり参加していませんでしたが、そんな中で、あのKISSが「beth」というナンバーで参加してます。結構意外な選曲‼︎また劇中、ウィリー達がバーで歌うニール・ダイヤモンドの「スィート・キャロライン」も収録。映画同様、味わいがあります。舞台となった街の雪景色も良いですし、大人になってから見返したくなる作品でした。そんな訳で、またDVDを引っ張り出さなくては(笑)。にしても、ナタリー・ポートマン、最高ですよ。
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