陰謀論者X

ハート・ロッカーの陰謀論者Xのレビュー・感想・評価

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
4.5
イラク戦争に従軍した米兵が戦争中毒になる姿やPTSDに悩まされる姿を描いた映画は「アメリカンスナイパー」が有名だが、それ以前に作られた女性監督ビグローによる非常に漢くさい戦争映画😇

ジェレミー・レナー演じる主人公は800個以上もの仕掛け爆弾処理をしてきたエキスパートなんだが、どこかに恐怖心を置き忘れてきたような無謀なやり方で行動を共にする部下達にも危険を及ぼすので本気で怒りを買ったりするような男。砂漠で敵のスナイパーに遭遇し狙撃戦で何とか撃退した際にはようやくチーム一丸となったと思いきや、後日やはり無謀な行動が原因で部下に大怪我をさせてしまって憎まれたり、人間爆弾となったイラク市民を助ける事が出来ずに至近での爆発で吹き飛ばされた時などは「お前はよくやってられるな」と心底呆れられてしまう😇

ようやく危険な任務が明けて故郷に帰ったら帰ったで、スーパーに並ぶ大量のシリアルの箱を見て何を買えば良いのか戸惑ったり、キッチンで奥さん(エヴァンジェリン・リリーが若奥さん役で可愛い)に戦場での体験談を延々と語るなど平和な生活にまったく馴染めず、それをあっけなく捨てる選択をするまでの短い構成は秀逸。戦争ジャンキーが再び戦場に舞い戻り、防爆スーツ越しに見せる笑みに被るministryの劇中曲がかなり印象的😇

オーディオコメンタリーでは主人公がシリアルを選ぶ際に何を買えば良いのか迷ってしまい、どうしようもなくなるというシーンにイラク帰還兵達は一番共感したとのこと。過酷な戦場と平和な本国が余りにも違いすぎるギャップに悩まされるという😇
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