ペジオ

逢びきのペジオのレビュー・感想・評価

逢びき(1945年製作の映画)
4.3
デヴィッド・リーンという監督は大作専門でそれ故に大味な演出をするというイメージを勝手に抱いていて、今までその作品を食わず嫌いしていた

いや~申し訳ございません、面白かったです

実にミニマムなメロドラマである
下世話な題材を格調高い雰囲気にまで持っていく演出力
回想を駆使してパズル的にまとめあげる構成力
90分以内というのもまた魅力

とは言え、不倫映画である
不倫は許せない…というより、する意味が分からない僕みたいな人間もいる
「不倫に溺れる女性」という主人公に対して、本来なら批判材料にもなりうる「主人公のやたら説明的な感情のナレーション」も僕にとっては親切な配慮だった
ちなみに一番主人公に感情移入した瞬間は不倫相手との最後の逢びきを邪魔するおしゃべりクソババアに対しての主人公のナレーション
「いっそ死んで欲しい…」
ダメだよ奥さん…(感情が)滴るように溢れちゃってるよ奥さ~ん…

全てを察し包みこむ旦那のラストの一言が普遍の「愛」を謳う
ああいう風に女を赦せる男で在りたいものだ
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