逢びきの作品情報・感想・評価

「逢びき」に投稿された感想・評価

1945年作品。DVDにて鑑賞。

モノクロの陰影の深い画面、蒸気機関車の煙、夜の喫茶店の窓に反映する列車の灯り、時として半分逆光で捉えられた女優の美しいクローズアップなど、少なくとも映像的には素晴らしい出来だし、お話もよく構成されていて冗長には感じない筈なのだが、正直言って、ゴダールが言う通り「イギリス人は映画に対して何もしてこなかった」ことを確認して終わった。

一番の原因は、主人公の語りが、ドラマに合わせてずーっと入る点。正直、当時としてもありえない量のモノローグだし、モノローグ自体も全く良くない。なんかもう、見ればわかるような場面で、心理的な説明を感極まってナレーションするので白ける。

映画は、外部からの視点だ。
だから、心理など映し出すのは不可能だっていう客観性で成り立っていた筈だ。

色んな作家が、舞台装置や撮影や演出を使って、心理以上のモノを描こうと試行錯誤しているのに、このデヴィッド・リーンという人は、美しい映像と心理的に納得できる物語の中に映画を封じ込めてしまう。

機関車が通り抜ける夜の駅ってホント最高のシチュエーションなのに・・・。ナレーション抜きのバージョンがもしあれば是非見てみたいと思う。
es

esの感想・評価

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レールの上を走る汽車のように歩む人生。少し停車してみても寄り道は許さない。
時代柄も有り、現代の禁断を楽しんでいるかのような不倫ものとは全く違う趣がある。
カンヌで賞を獲得したりアカデミー賞で監督賞候補になる等世界的に評価された、デヴィッド・リーンの監督としての出世作。

話としてはぶっちゃけただの不倫もので、セリア・ジョンソンのモノローグも余計かなと思える場面もあったけれども、映像の陰影や構図がまるでフリッツ・ラングが恋愛映画を撮ったように頗る良くて、最初のシーンを終盤に別の視点で繰り返すというトッド・ヘインズがキャロルで真似た構成も実に良い。(上記のモノローグもここを活かす為と思えば許容できる)

映像美によって名作たり得ている映画の好例とも言える作品であるが、監督デビューしてから間もない時期からここまで美しい表現で魅せてのけたデヴィッド・リーンはまさに天才的だとつくづく思い知らされる一品。
しを

しをの感想・評価

4.3
ヘインズ監督は『キャロル』でこの作品の冒頭そしてラストをオマージュしていると言っていて、ようやく観たんだけど本当にそのまま そして古典的ハリウッド映画の視線の映し方がよくわかる
MOCHIWAR

MOCHIWARの感想・評価

3.0
汽車から始まって汽車で終わる。決められたレールの上から少し外れてみるも、許されるはずもなく。

言うまでもなく完全に文学です。「舞姫」とかね。ナレーションとかめちゃめちゃ画期的だったのだろうけど、表情で全てを伝えてる分、流石にダサすぎ。10年くらいかけて尖った心理映画を作ってきたイギリスのクラシックなので、まあ大目に見ます。これのリブートがフォローミーで、主演がミアファロー。個人的にはそちらの方が合う。
あ、これで終わり?という終わり方だったので、続きが気になってしまった。
話のテンポは良かったと思う。
モノクロの映像の映画を初めて観た。
シンプル且つ静かながらも、
役者の芝居や音楽、周りの音等、
魅力的な内容だった。

主人公達に感情移入出来るかどうかは、 個人の主観に依存する内容だが、
一つの恋愛ストーリーとして、
よく出来た映画だった。
三四郎

三四郎の感想・評価

3.5
この映画は実にイギリスらしい雰囲気と筋である。善良な大人の恋物語、不倫を扱っているが、「不倫はしてはいけないこと」というのが登場人物たちの頭の中にある。その「罪の意識」を強く感じているのはヒロインだ。まず冒頭の曲がいい。趣きがある。夜空にある星を眺めて高雅なロマンスを…これが伏線となっている。
映画館で男はタバコを指に挟み、その煙がさまよっている。彼は彼女と恋に落ちたのである。彼女の回想と語りによって物語は進行し、その合間合間に彼らと彼らの周りの人々との劇がある。ディゾルブを多用。私が気になったのは、駅の喫茶店のおばさん。おばさんの膨らんだ左胸に小さな小さな時計がある。飾りではなく本物の時計だと思うが、なんともオシャレだ、そしてエロティッシュ。このおばさん、若い頃は可憐だっただろうなぁ、そう思いながら見ていた。正直、主人公二人はどこにでもいそうで、美男美女からは程遠い。趣きのあるメロディとともに映画が始まったにもかかわらず、ヒロインの顔を見てがっかりしたのだ…。年老いていて美しくも魅力的でもないし。何故この女優…と思った、しかし、教養市民階級の主婦の不倫ものなら、このくらいのやつれた顔で十分なのかもしぬ。「不倫もの」と言ったが、嫌悪を感じることのない格調高い物語だ。物語に引き込まれる。観ながら、ジェイン・オースティンの文学は、倫理道徳のあるイギリス文化からしか生まれぬと幾度も思った。「不倫もの」と言っても、それほど秩序のあるものだったのである。もちろん危うさはあったが、一度も肉体関係は結んでいない。決してフランス、スペイン、イタリア、ドイツ語圏、それに戦後のアメリカでは描けそうにない世界だ。「女が外でタバコを吸うのはみっともないこと」これもまさにイギリスらしい。
「死んでしまいたい」と言う女に対して「僕を覚えておいて欲しいから生きてて」と言う男。彼女の旦那は非常に寛容で思いやりのある優しい夫だ。だからこそ、主婦は単調な毎日から無意識のうちに逃れようとしたのだろう。ラストシーンの「遠くへ行っていたね 戻ってきてくれてありがとう」旦那は察していたのかしら、美しく終幕。

このレビューはネタバレを含みます

瞳に入った灰
巡り合ってしまった二人。
大きな瞳がチャーミングな主人公より綴られる
胸の内に秘めた想い。
とても上品なんだけど己に酔いしれいる感じに馴染めず
大人の映画、、
まだ私には観るのは早かったと思っていましたが、、
いやはや、展開の素晴らしさ!名作でした。
Shina

Shinaの感想・評価

3.8
不倫だけど、どこまでもロマンチック。エンディングが良かった。
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