エモい・・・今日たまたまこの作品の話になって、円盤を持っているので観てみました。ロケ地マップと作品解説ブックレット付。
「春が二階から落ちてきた」
冒頭のシーン、満開の桜とひらひら舞う花びらをバックに、加瀬亮のナレーション。春というのは、弟(岡田将生)の名前。森監督が『重力ピエロ』を制作するにあたり、最初に思い描いた映像だそうです。この高校生の春と季節の春をダブらせるように描こう。ちょうど桜の開花シーズンということもあり、するすると作品に吸い込まれていきました。
岡田君を初めて観たのが『天然コケッコー』。次がこれ。この時代の岡田君は本当に尊い。彼の子供時代を演じている北村匠海も、二人とも尊い。
伊坂幸太郎の作品では、自分の中では一番好きかも。出てくる男性がみな魅力的。小日向さん演じる、奥さん思いのお父さんも、加瀬亮の、弟に特別な思いを抱いている、弟思いの兄貴も。レイプ犯ですら。切ない。
印象的な台詞も多い。それがこの作品に何度も立ち返るきっかけになっているのかも。
「レイプ、グレイプ、ファンタグレープ」(毎回号泣)
「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」
「楽しそうに生きていれば地球の重力なんて消してしまえるんだ」
吉高由里子が脇役で出ていたのをすっかり忘れていて、ああ、ここから階段を昇って行ったのか、とちょっと感慨深かったです。
#切ない