ナツミオ

髪結いの亭主のナツミオのレビュー・感想・評価

髪結いの亭主(1990年製作の映画)
4.0
WOWOW on demand鑑賞

“あなたが死んだり、
 私に飽きる前に死ぬわ"

監督自身が少年時代に経験した性への憧れを映像化。面白かった‼️
これは名作でした〜

ミニシアターでロングランを記録。
日本にパトリス・ルコント監督の名を知らしめた秀作。子どもの頃からの夢を実現させ、髪結いの夫となった中年男性の姿をユーモアに包んで描く。

【受賞】
・ルイ・デリュック賞(1990年)
パトリス・ルコント
『ピストルと少年』のジャック・ドワイヨンと共同受賞

【ノミネート】
・セザール賞(1991年)
最優秀男優賞:ジャン・ロシュフォール
最優秀撮影賞:エドゥアルド・セラ
最優秀監督賞:パトリス・ルコント
最優秀編集賞:ジョエル・アシュ
最優秀作品賞:パトリス・ルコント
最優秀美術賞:イヴァン・モーソン
最優秀脚本賞:クロード・クロッツ、パトリス・ルコント
・英国アカデミー賞(1992年)
外国語映画賞:ティエリー・ド・ガネー、パトリス・ルコント

原題 『Le Mari de la Coiffeuse』(理容師の夫)

1990年仏作品
監督・脚本 パトリス・ルコント
音楽 マイケル・ナイマン
撮影 エドゥアルド・セラ
台詞 クロード・クロッソ、パトリス・ルコント
出演 ジャン・ロシュフォール アンナ・ガリエナ アンヌ=マリー・ピザニ ロラン・ベルタン モーリス・シュヴィ フィリップ・クレヴノ トマ・ロシュフォール 

(WOWOW番組内容より)
少年時代、髪を切ってくれた理髪店のシェーファー夫人(ピザニ)に女性を感じ、以来理容師の夫になることを夢見るアントワーヌ(ロシュフォール)。中年となった彼はふと入った理髪店で美人の理容師マチルド(ガリエナ)に一目惚れし、その場で求婚。その時は相手にもしなかったマチルドだったが、3週間後、彼が再び来た時、なぜか彼女から彼のプロポーズを受け入れた。念願の《髪結いの亭主》となったアントワーヌは至福の時を過ごし、たちまち10年の月日がたち……。

(WOWOWオンラインより)
「仕立て屋の恋」「橋の上の娘」など人生の機微や大人の恋を描いて人気が高い、仏映画界の名手パトリス・ルコント監督。その日本初上陸作品となった人情ドラマ。

少年時代、美しい理髪師に初めて性を感じた主人公が、30年あまりの後、ふと訪れた理髪店で夢の女性に出会い……。女性を演じるアンナ・ガリエナの匂い立つエロティシズムが際立ち、彼女の仕事ぶりをうっとりと見つめる主人公に扮したジャン・ロシュフォールもペーソスあふれる好演。
主人公の奇妙なしぐさやフェティッシュな視線など、ユーモアとエロスに満ちた秀作。

日本で最初に公開されたパトリス・ルコント作品、監督の名を日本に知らしめた作品。
ルコント監督が少年時代の性への目覚めを映画化したとのこと。
そして彼のフェチ全開で描く。

主人公アントワーヌは、中年の独身男。
ふと入った理髪店の女性理容師が彼の理想である美人理容師だったことから、思わず求婚してしまう‼️
そして彼は少年時代を回想する……。

主演のアントワーヌ役ジャン・ロシュフォールは、フェチ全開、時にコミカルな我流中東ダンスを舞い、むずかる子供を黙らせる‼️
妻を心から愛し、<髪結いの亭主>として緩〜〜い日常を脱力感満載で演じる。

アントワーヌの妻マチルド役アンナ・ガリエナの少し影のある憂いを含んだ美人理容師マチルド役が素晴らしい。
イタリアの女優さんだったんですね。
赤いワンピース姿で仕事をするシーンは特に綺麗‼️


以下ネタバレあり



印象のシーン、セリフ
・母お手製の毛糸の水着
 ……自然とガニ股に。これがきっかけで性に目覚める。

・中東の民族音楽に合わせて踊るアントワーヌの奇妙なダンス
 大人になっても時々踊る。
 お客の子供が散髪を嫌がる時には、この踊りで、いつの間にか散髪が終わる⁈

・父の教え「クロスワード攻略法」
“難しいから諦める?"

”クロスワードは女と同じ
攻略法 難解なれば 悦びまた多し"

・マチルドの約束
 “ひとつだけ約束して。愛してるふりは絶対しないで"


何故?、急に?唐突な結末は、結構サスペンス⁇⁇

昨日観た『仕立て屋の恋』(1989)と同様、観終わった後も余韻を残す。ルコント監督の名作でした‼️





【忘備録】ネタバレなし
キャスト
・アントワーヌ Antoine
ジャン・ロシュフォール

・マチルド Mathilde
アンナ・ガリエナ

・アントワーヌの父 Pere Antoine
ローラン・ベルタン

・アンブロワーズ・デュプレ、通称イジドル・アゴピアン Ambroise Dupré dit Isidore Agopian
モーリス・シェヴィ

・モルヴォワシュー Morvoisieux
フィリップ・クレヴノ

・シャルドン M. Chardon
ジャック・マトゥ

・シェーファー夫人 Mme Sheaffer
アンヌ=マリー・ピザニ

・アントワーヌ12歳 Antoine a 12 ans
ヘンリー・ホッキング

・モルヴォワシューの婿
ティッキー・オルガド


【キャッチコピー・評】
(Wikipediaより)
「かほりたつ、官能」(キャッチコピー)

「いいねえ、これが恋愛ってもんよ」
荒木経惟

「甘く、ほろ苦い人生のスケッチ」
淀川長治

「かおりたつ題名であっと言わせる」
フィガロ誌
“Un film épatant au titre parfumé"

「パトリス・ルコントで、もっとも私的、もっとも熱狂的、そしてもっとも成功している」
プルミエール誌 (fr)
”Le film le plus personnel, le plus chaleureux et le plus abouti de Patrice Leconte."
ナツミオ

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