お馴染み、スコセッシ、デ・ニーロタッグの作品。終始、目を背けそうになりながら観ていました。なんというか観ていて、スゴく緊張させられる作品で、コメディ映画で楽しく観られると思ったら大間違い。不気味かつ絶対な自信をもつ主人公。もう病気な追っかけの女。追われるスーパーコメディアン。果たして妄想なのか現実なのか。序盤、色々な場面が交錯していく構成に引かれ、先へ進むにつれて、どんどんと不安にさせられます。
ラストはなんとも言えず。でも、とても好きです。音楽の繋がりがとてもいい。芸能界の淡々としたといいますか、面白ければ、その人物がなんであろうと飛び付く感じは不安になります。「タクシードライバーのコメディ版」と言われますが、緊張の雰囲気が違うように思います。不気味さ。では、こちらが上手。必死さ、生々しいのはタクシードライバーが上手。似た構成ではありますが、そう感じました。総じては、先駆ということを関係なく考えて、タクシードライバーがひとつ上な気は致します。デ・ニーロの演技の幅をここまで見極め、使いこなせるスコセッシが素晴らしいですし、それに応えるデ・ニーロもまた素晴らしい限りです。
