このレビューはネタバレを含みます
ドン底で終わるより、一夜の王になりたい。パプキンの狂気に驚かされつつも、しかしその心の中にあるパプキンの思いに同情もしてしまう怪作。
普通、パプキンは妄想症の異常者だと思うかもしれない。しかし、その心には闇を抱えていて、先のような気持ちがずっとあった。最後のトークで彼は幼い頃に親に虐待されていたらしい発言をする。(本当かジョークかは分からないが、本当のことなら)親からも見放され、誰にも注目されていなかったからこそ承認欲求が異常になって妄想をしてしまうようになり、今作の行動を犯してしまったのかもしれない。ドン底で終わるより、一夜の王になりたい。そんな気持ちに一度でもなったことのある人は、彼に少しばかり同情もしてしまうかもしれない。ロバートデニーロの怪演が際立つ迷作。