Kumonohate

地獄のKumonohateのレビュー・感想・評価

地獄(1979年製作の映画)
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不義をはたらき地獄に落ちた女(原田美枝子)と、地獄を背負って生まれて来たその娘(原田美枝子:二役)と、彼女等をとりまく旧家の関係者が、殺したり殺されたり、最後は全員地獄に落ちてドロッドロになる話。珍品。

地獄と言うよりは単にユーウツなだけで、70s風俗映画みたいな空気を撒き散らし、ホラー・ムードを消し去る山崎ハコのテーマ曲。女の性だの業だのといった暗いテーマををぶっ飛ばす、原田美枝子のダイナマイト・ヌード。冒頭のナレーションを聞くまでもなく、どこかで絶対出てくるに違いないと確信していたら、やはり地獄の案内人役で登場した天本英世。逆に意表をつかれてのけぞった金子信雄の閻魔大王。地獄を背負って生まれた娘が、「20年後」のテロップの後、いきなりカー・レーサーになっているという、伏線にも何にもなっていない意味不明の青春映画テイスト。常に深刻な顔をしているが、何で原田美枝子に惚れちゃったのかよくわからない林隆三。地獄のスプラッタ描写より、陶芸の窯の中に正座して焼身自殺する栗田ひろみより、何より怖い下から照明が当たった岸田今日子の顔。しかめつらしい顔をしてもっともらしい理由をつけちゃいるが、単に原田美枝子と岸田今日子の入浴シーンを覗いているだけの加藤嘉。

などなど、わいわいツッコミながら鑑賞するのが正しい。
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