浅野公喜

クランスマンの浅野公喜のレビュー・感想・評価

クランスマン(1974年製作の映画)
3.5
白人至上主義のKKKと黒人+それを援護する白人達の戦いを描いた社会派サスペンスアクション。脚本にはサミュエル・フラーの名前も。

劇中はステイプルシンガーのようなファンキーな曲が使われ社会派でありつつも娯楽色強め。しかし黒人男性が集団に何度も撃たれたり、悪徳警官に黒人女性が襲われる等描写は割とえげつなく、黒人というだけでやりたい放題の白人達にはただただ嫌悪感が湧くのみ。白人と黒人の板挟み状態であくまでフェアな保安官リー・マーヴィンと、進んで白人をやっつける(後の90年代にシャレにならない形でそれを現実にする)アメフト名選手O・J・シンプソンとで異なる正義が描かれ、キング牧師とマルコムXの如く黒人同士でも差別に対する抗い方で口論になるのは興味深い所。終盤の対決におけるアクションはやや歯切れの悪さを感じましたが山の奥から少しずつ至る所に火が浮かび上がる演出はラストに相応しいものと言えるはず。
浅野公喜

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