はやひ

アンダーグラウンドのはやひのレビュー・感想・評価

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
5.0
評100/2.5
好100/2.5

マイベストムービー。

【2017/9/29追記】
完全版!!!!
恵比寿ガーデンシネマで鑑賞。
やっべえ。やべえ。
めっちゃストーリー分かりやすい。半分以上削ったのが通常版だから、そりゃあ情報量は増える。登場人物全員が何を考えていたのか、何をしていたのかが分かる内容になっている。これは必見。
なんだかんだラスト付近はボロ泣き。でもラストも完全版観てさらに印象が強くなった。

【2016/1/29追記】
恵比寿ガーデンシネマで鑑賞。
Tシャツもポスターも買いました。
最高の映画です。
やっぱり最初のイヴァンの台詞から泣きます。「みんな俺の仲間だ」
ユーゴスラビアの歩んだ結束と瓦解の歴史を、少しでもいいから知ってから観て欲しいです。


【2015/10/20】
久しぶりに観てこれは他の追随を許さず最高だと言える映画だと痛感。全部ストーリーは知っているのにボロボロ泣いたし、この興奮はしばらく引きずると思う。

始まってすぐに強烈なブラスの音楽の連続に圧倒される。観る人はハイテンションな三人の主人公に引きずり回されながら、陽気に明るく、ユーゴスラビアという国とそこにいる人々とその悲劇に目を釘付けにさせられる。
笑いをベースに人の一生や国家の盛衰、愛憎や裏切りを描く。物語としてあまりにも豪勢で、それでいて音楽や映像表現において全く隙がない。
やはりユーゴスラビアの歴史を頭に入れてから観た方が面白いと思う。
ユーゴスラビアという「国」と主人公たちは明らかにメタファー的に繋がっていて、それを少しずつ理解しながらラストシーンに向かっていくのがオススメの見方。もちろん普通にエンタメとしても面白いのでテキトーに観ても楽しめるけど。
とにかくブラスの音が耳から離れない。これほど明るさ楽しさ・画面的音楽的美しさ・メッセージの切実さを両立させた映画はないと思う。





ちょっとここからネタバレ。上記のメタファーについて、付け加え。

二次大戦をひきずり、嘘により地下へと隔離された人々。しかしその世界は実際は虚構でも、中で生きる人々にとっては現実であり、拠り所であった。そしてその虚構が暴かれる時、札束が舞う中、人々は外へ出る。待っているのは裏切りと実利の支配する社会…。肩を組み共に歌った「同志」や、協力して苦難を乗り越えた仲間たちが殺しあう悲劇。

というのが物語の骨子であるが、これは明白にユーゴスラビアの歴史である。そもそものユーゴのティトー共産主義の成立要因や、それを破る資本主義のメタファー、ユーゴの末路、、細かいところを観ればメタファーは見つかるはずだが、大枠としてはこんな感じ。


十字架とクロのシーンでのセリフなどで号泣。
ラストシーンでのクロとマルコの会話が、世界中で出来ればいいのにと思ってしまう。
他にも好きなシーンがありすぎるし、コメディとしてツボなシーンはそれ以上にあふれている。

僕はこれこそがまさに映画だと思っているし、これを観ると映画っていいなぁと思う。とにかく全ての人にオススメしたい、ベストムービーです。
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