トランスマスター

ジーザスキャンプ 〜アメリカを動かすキリスト教原理主義〜のトランスマスターのレビュー・感想・評価

4.5
#208 レンタル困難なDVDを借りてみよう第一弾

今年も残すことあとわずか
見たい映画をCripしたまま年を越さないよう取扱店舗の少ないレアなDVDから消化してまいります。

ミズーリ州のキリスト教原理主義「福音派」のサマーキャンプを追ったドキュメント。宣教師のフィッシャー女史(邪悪な近藤春奈)の見事なプレゼンに感化された少年・少女がダンスや祈りからトランス状態へ没入。涙を流しながら精霊と交信しヘブライ語風の意味不明な言葉を発している我が子の姿を親が微笑ましい表情で眺めるという背筋の凍るシーンをふんだんに盛り込んだ洗脳ドキュメント映画です。

◆良い点/注目ポイント
・観光客はもちろんのこと丸山ゴ○ザレスでも潜入できないディープで危険なサマーキャンプの内部の様子を自宅に居ながら安全に視聴できます。
・フィッシャー女史(かなりのおデブ)が最近信者が堕落して食に貪欲になっているというお説教のシーンは笑えます。
・フィッシャー女史の名言「ハリーポッターは魔法使いで神の敵、旧約聖書なら即処刑。」
(箒に魔法をかけて掃除をさせる某テーマパークのメインキャラは?)

◆改善点
・坊主で後ろ髪が長い少年と綺麗なお姉さんや黒人のお爺さんに積極的に布教活動をしていた少女。成長と共に宗教観が中道寄りに軌道修正されても映像が黒歴史として残ってしまっている点が心配です。

◆総括
・妊娠中絶反対/進化論否定/学校教育否定/政教分離反対という極端な思想を持つ集団の組織票により政局を動いてしまう危険性が良く表現できていました。リベラル派DJからフィッシャー女史への「神は子供を弄ぶ人に特別な場所を用意している。」とセリフが印象的でした。

-2020年 208本目-