Yuto

俺は、君のためにこそ死ににいくのYutoのレビュー・感想・評価

2.8
原作未読

太平洋戦争末期。アメリカ軍が上陸を開始した沖縄を文字通り死守すべく、鹿児島から出撃していく陸軍特攻隊の若きパイロットたちと、慈愛の心で彼らを見守る食堂の女将を描いた戦争ドラマ映画。


製作費18億円に対し、興行収入は僅か10.8億円だとか。7億円もの赤字を作るほど酷い映画かどうかはともかく、描きたいものはハッキリしている。しかしタイトルの時点で観る人と観ない人で分かれそうな気がします。


特攻隊員というのは軍神でも狂人でもない。

追い詰められて後戻りもできず、タガが外れた組織ほど恐ろしいものはないです。

それはさておき、テーマがテーマなのであまりはっきりものを言うのも憚られますが、個人的にこういうタイプの映画はあまり好きじゃないです。

観る人の主観で映画全体の印象が違ってくると思いますが、正直本作には感動ポルノに近いものを感じます。要所々々で流れる扇状的なBGMはある意味安定の邦画クオリティとも言えますが、主題歌がB'zなのは納得いかない。明らかにミスマッチです。

戦闘シーンは少ないですが、思ってたより迫力のあるものでした。期待こそしていませんでしたが、そこはまぁまぁ良かったです。


総評としては、本作は「特攻」という理不尽の権化みたいなテーマを扱っているからこそ観ていて胸が締め付けられるような部分もありますが、映画としては凡作の域を出ないという感じです。

2023年78本目
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