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人情紙風船のhabakariのレビュー・感想・評価

人情紙風船(1937年製作の映画)
4.5
どこか呑気な長屋話が突然の雨で様相を変える。足元に落ちた簪と手切れ金。片方の男はそれを踏み壊し、もう片方は目もくれない。やくざ者の悪戯心と浪人の絶望が悲劇の引き金を引く。中村鶴蔵の雨傘の白い円と雨に濡れる河原崎長十郎を捉えたロングショットの鮮烈さと冷たさは至高。
もちろん幕引きは完璧。
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