Hiromasa

映画に愛をこめて アメリカの夜のHiromasaのレビュー・感想・評価

5.0
映画の中にはしばしばはっとするほど美しい瞬間があるが、その美しさというのは、たとえば猫にエサをやるためにかがみ込む女の足元にカメラを向けることで撮れる(あるいは映画の本を積み上げた映像に受話器から流れる音楽が重なることで感動的なシーンになってしまう)ようなもので、実際のところあっけないほど単純なものである。しかし同時に単純さはその背後に途方もなく複雑な成り行きを持っている。『アメリカの夜』はたまたま映画についての映画だが、これに限らずトリュフォーの映画はいつもこのことを語っていると言える。
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