Hiromasaさんの映画レビュー・感想・評価

Hiromasa

Hiromasa

カルト(2012年製作の映画)

2.5

グラビアアイドルは大変な仕事なんだなと。個人的に映画は「緊張感」がほしいので、あまり評価できなかった。

男たちの挽歌(1986年製作の映画)

4.0

正直よくわからない粗筋なのに、男たちが熱く行動しているのだけは伝わってくる。ラストシーンの汗まみれの男たちが死ぬほどかっこいい。映画は「ストーリー」ではなく「アクション」で見せるものである。

チャイナ・ゲイト(1957年製作の映画)

3.0

去年書いた記録。

戦時中の報道映像と、フィクションの映像が入り混じっている。そのことによって、この映画は「歴史」から超越した作品になっている。「ラ・マルセイエーズ」が流れる場面はそのことを暗示してい
>>続きを読む

熟女 淫らに乱れて/み・だ・ら/スリップ(2009年製作の映画)

4.0

ピンク映画なのに、こんなに爽やかなそよ風のような作品でいいのだろうか。
ドラマがあろうとなかろうと人はただ生きて行く。ひたすら「良いショット」を眺める盆栽鑑賞みたいな気持ちになってしまったが、映画が盆
>>続きを読む

さよなら、ジョージ・アダムスキー(2007年製作の映画)

3.5

宇宙人にチップを埋め込まれた友達。小学生状態のままなのかと思いきや、ちゃんと十数年の経過が見えてきて、単なる記号的な変人描写に終わってない。だからこそラストが良い。あと終盤で鉄パイプでぶん殴っていたの>>続きを読む

ハスラー2(1986年製作の映画)

5.0

本作のポールニューマンを見ていて、作家の色川武大を思い出した。彼は若造のトムクルーズに虚実のあわいを生きる凌ぎ方を教えるのだが、それを口にした時点で、すでにある矛盾を抱え込んでしまっている。色川も、稼>>続きを読む

バニラ・スカイ(2001年製作の映画)

3.0

見てるあいだは面白かったが、「底が抜けてる」印象を受ける。どんでん返しの脊髄反射的な快感に頼って2時間持たせる映画。現実とは何か問いかけている様に見えて、何も問いかけていないだろう。トムクルーズの頭痛>>続きを読む

人魚姫(2016年製作の映画)

4.0

少林サッカーの監督ということで鑑賞。

徹頭徹尾、人物のアクションによって語らせる傑作アクション映画。特に、人魚たちのトランポリンを用いたジャンプの躍動感はすごい。他に指摘されている方がいて膝を打った
>>続きを読む

アリス・スウィート・アリス(1977年製作の映画)

4.0

アリスを取り囲む不気味な世界が、見事に作り込まれた箱庭的映画。やっぱり教会の影響がでかいんだなと思う。監督は建築家らしいが、アパートや老婆の部屋がよく出来ている。
『サイコ』をアレンジした作品としても
>>続きを読む

マスク(1994年製作の映画)

2.0

見ていて頭痛くなる悪夢のような映画。わりとこの映画がヒットしたのは謎だ。

パンドラの箱(1929年製作の映画)

4.0

サイレントだが、とにかく今見てもルルがエロい。映画女優のエロスが永遠のものとしてフィルムに定着した記念碑的作品。

作品解説としては、入手困難ではあるが、大岡昇平『ルイズ・ブルックスと「ルル」』という
>>続きを読む

オーディション(2000年製作の映画)

3.5

日本的リアリティそのものが、常につきまとう不快感の源泉として表象されている。そんな作り手の嫌悪感は、最終的にグロ描写として噴出する。監督は違うが、この映画は、非常に村上龍的なテーマが表現されている。グ>>続きを読む

殺人の追憶(2003年製作の映画)

3.5

泥臭い自然主義リアリズムの精神が感じられた作品。そこは非常に良いが、ミステリーの形式をとったことで主題がぼやけている。

乱れる(1964年製作の映画)

5.0

加山雄三演じる男が知り合いのうざいおっさんに似ていた。にもかかわらず、泣ける。特に途中下車して夕靄の立つ温泉街に入っていくシーン、美しすぎて涙枯れるかと思った。それは、人のあいだに流れる時間がしっかり>>続きを読む

フレフレ少女(2008年製作の映画)

5.0

名画中の名画。
「まず自分が頑張らないと、人にがんばれとは言えない」
「祈ってるだけでは人は変わらない。言葉と体で伝えよう」ガッキーの語る名言が刺さりました。
あと、高校生目線だけでなく、内藤剛志のよ
>>続きを読む

銀座カンカン娘(1949年製作の映画)

1.5

「名女優」高峰秀子も、わりとこの頃は笠置シヅ子と並べられる色物的存在だったのだなと。ラスト志ん生の替わり目がめちゃくちゃスベってるが、映画は基本的に後に残るものではなかったことがわかる作品。

スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010年製作の映画)

3.5

ヴィーガンをぼこぼこにしたり、非常に低俗で、後味悪いところがある。ただ作品全体から考えると、そこもまた良い。
お笑い芸人のニューヨークが好きなんですが、ちょっと似たテイストを感じましたね。

TOKYO!(2008年製作の映画)

2.5

うーん、別に駄作ではないが、そもそも「東京」というお題がつまらなすぎたんじゃないか。第3話の蒼井優は一見の価値ある。

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

4.5

ふつう「笑い」と「深刻なテーマ」は別物だと思われてる。しかし、『ホット・ファズ』を見て、その2つが表裏一体になった語り方もあるんだなと思った。

この作品では、一般的な理想の「共同体」イメージが批判さ
>>続きを読む

野獣狩り(1973年製作の映画)

2.5

一見無造作に見えて、カットをムダなく繋いでいくハードボイルドな手つき。音が即物的に際立っているのが良い。
しかし、巨大資本に抗う犯人と一刑事が共鳴するという主題は、凡庸な「やさぐれ気分」として情緒的に
>>続きを読む

レイクサイド マーダーケース(2004年製作の映画)

5.0

途中まで見えてなかった、人間のもつ陰影や世界の複雑さが、だんだん見えて来る。
そんなミステリー映画の醍醐味を感じさせてくれる傑作。あと、ラストのホラーっぽいカットが良い。

個人的に、ここ半年くらいで
>>続きを読む

邪願霊(1988年製作の映画)

3.5

車の炎上や、廃工場のド派手なシーンが最高。個人的にVHSに対する思い入れは無いが、この「取り返しのつかなさ」の感覚は非常に大切だと僕は思う。

バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

4.0

非モテ3人の泥試合。まあだから、話のキレは悪い。
ただ個人的に、昔よく読んでいた江戸川乱歩とか「怪人二十面相」シリーズの世界に近かったので良かった。ペンギンは『孤島の鬼』を思わせる。

巴里の女性(1923年製作の映画)

3.0

ちょっとした教訓つきの恋愛ストーリー。
金持ちの女がネックレスを窓から投げて、慌てて自分で拾いに行くシークエンスは、街角を犬と並んでちょこまか走ってて、ここだけめちゃくちゃチャップリンっぽかった。ちな
>>続きを読む

サーカス(1928年製作の映画)

4.5

チャップリンの自画像的な代表作。
冒頭、鏡の迷宮で、無数の虚像の中から抜け出して来たチャップリン。そして「幌馬車」からひとり置き去りにされるラストまで、映画における道化とは何たるか描き尽くしている。『
>>続きを読む

風音(ふうおん)(2004年製作の映画)

4.0

わりと説明的なセリフ中心に話が進んでいく映画。
その点、紋切型を超越する映像を求めているタイプの映画ファンには合わないかもしれないが、僕はむしろ「外枠」を作ることに徹して、内側(=沖縄の具体的な「歴史
>>続きを読む

トータル・リコール(1990年製作の映画)

4.0

「夢か現実か」「記憶は本物か?」という問いがどうでもよくなるほどの、シュワちゃんという主体の「強度」に感銘を受ける映画。デタラメとしか思えない展開の中で、主人公のアクションだけが確固として屹立している>>続きを読む

貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)

4.0

わりと題名どおり、期待どおりの内容を見せてくれる良作。
ただ、単なるおふざけを超えて、この世の禍々しさが伝わってくる映画でもある。
大いなる霊界の力を前にしたとき、人の浅知恵はすべてムダに終わるのだと
>>続きを読む

アイアン・ジャイアント(1999年製作の映画)

2.5

子供時代以来の再視聴。巨人の造型や、ネジが動き出すオチは好きだったけど、戦争責任を1人の愚か者に押し付けてるのはどうかと思った。

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

1.5

三島由紀夫を見られる点は良いが、わりと関係ない人たちの話がつまらなすぎて萎えた。あと、三島のキャラを把握できる映画としては『からっ風野郎』の方がおすすめかな。

グーニーズ(1985年製作の映画)

3.0

ごちゃごちゃしてたけど、いい作品だった。ただ、友達の太った男の子を置き去りにしちゃうところはどうかと思ったな…。

眠狂四郎 殺法帖(1963年製作の映画)

2.0

眠狂四郎。ニヒリスト気取りのキザな男で、悪いけど笑ってしまう。机龍之介(大菩薩峠)の市川雷蔵を思い出したが、眠狂四郎の方が根はいいやつだと思う。その分、話としてはぬるい。森の木漏れ日の中での忍者戦はよ>>続きを読む

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.0

特に序盤の遊園地のシーン、フィルムから世の中に対する悪意みたいなのがあからさまに滲んでいて慄える。人々への憎悪と、世界の鮮明さは裏表になっている。ヒッチコックの魅力は何よりもこの「悪意」が根底にあるこ>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004年製作の映画)

5.0

いやあ、これを見るためだけだったとしても西部劇見てきて良かった…。レビューとしては、muscleさんが「『ファイアパンチ』は全部この映画の批評的応答らしいよ」という一言で尽くされている。

最近わりと
>>続きを読む

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

4.0

ストリッパーのカルメンが「私たちは芸術家よ」と語っていたが、このセリフはアイロニーではない。文字通り、高峰秀子が理想的な「芸術家」を演じている。一方、カルメンの親父は「あの子は馬に蹴られてから頭がバカ>>続きを読む

>|