2001年のキム・ギドク監督作品。
北朝鮮との国境付近を警備する韓国軍のカン上等兵は海を超えて侵入するスパイを捕らえんと躍起になっていた。ある夜、海岸で怪しい人影を見たカンは発砲するが死体は近くの村の男だった。その日からカンは精神的に不安定となり除隊を余儀なくされる。殺された若者の恋人も気が触れてしまい…。
コロナ禍で亡くなったキム・ギドク監督の初期作品。国境警備隊モノかと思ったがストーリーは限られた地域の軍隊内の揉め事と日常の秩序崩壊がメイン。PTSDを負い除隊処分になるも執拗に軍隊に戻ろうとするカン上等兵は『フルメタル・ジャケット』の"ほほえみデブ"のもう1つの結末を見るかのよう。
恋人を殺された恋人も気が触れてどんどん気の毒なことに。彼女についてはところどころ80年代邦画と似たカラーリングやショットが見られるのが興味深い。閉塞的な軍隊の嫌な雰囲気は伝わるがストーリーが面白いかと言えば微妙。除隊したカンが軍の施設に易々と何度も出入りするので笑ってしまった。
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