男にツキをもたらす女。
伊丹十三流、ちょっと大人のラブコメディ。
宮本信子さん扮するナヨコと津川雅彦さん扮する主水のすれ違うラブストーリーの定型的な面白さと、
平成初頭、バブル崩壊前後の男性社会がからまって、
今観ると、性差を描いた骨太さも感じた。
ナヨコの数奇な人生を見つめる映画でもあるけれど、お稲荷さんに捨てられたところを拾われて、芸妓、妾、銀行の秘書と生きる中で、常に男の醜悪さに振り回されていく苦さもあり、
彼女が幸せを掴むことと、それでも二人が結ばれることが最後にリンクするのが美しかった。
あと、邦画と洋画の古典をたくさん参照した感じの画面づくりが面白かった。