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まわり道のbennoのレビュー・感想・評価

まわり道(1974年製作の映画)
3.6
1作目を観てからだいぶ日にちが経ってしまったので…今日はヴィム・ヴェンダースの日!『ロードムーヴィー3部作』の2作目です。

多くの哲学者を産んだ、『哲学の国ドイツ』
ヴェンダース哲学発揮です!

作家志望の人間嫌いの青年ヴィルヘルムが旅先で出会った人々と論じ合うロードムーヴィーであり会話劇。

茫漠とした彼らの関係性は別荘の家主の唐突な自殺によって呆気なく断ち切られます。
その家主が生前語っていた"ドイツの孤独"について、そして元ナチスの老芸人がユダヤ人を殺したという告白。
そこから、ヴィルヘルムの様子が一変します。
静から動へと、彼の中でナチスの起こした戦争責任に対する怒り💢が高まり、行動に…老芸人の襟首を掴み湖に沈めようとします。

ヴィルヘルムはこれまで、孤独と不安に苛まれ、ひたすらそれを隠そうとしてきました。
街にひしめく人たちが何故、戦争に対して平気でいられるのか分からないまま…
しかし、あれこれ思い悩んで放浪しても仕様がないと終盤で思わせながら、思い悩むことにも意味はある……と、それ自体を否定しません。
ある意味、逆説的です。

"まわり道"してもいいじゃない……

彼らが滑稽なまでに論じ合う中、一言も喋らないN. キンスキーがアイコンとして花を添えています。

話の内容は面白かったですが…
でも、ドイツ人、ちょっと面倒臭いかもぉ😞
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