シカク

まわり道のシカクのレビュー・感想・評価

まわり道(1974年製作の映画)
4.7
ヴェンダースは「パリ、テキサス」、「アメリカの友人」、「都会のアリス」と続き鑑賞4作目。
都会のアリスから、ロードムービー第2弾。 

「パリ、テキサス」で衝撃を受けて、「アメリカの友人」はハマらず、「都会のアリス」でやっぱ良いじゃんとなり、この流れからの本作は大当たりでした🎯。 

列車で窓を開けて風を感じながら駆ける緑の自然、70年代のドイツの夜に佇むレトロな街並みや電飾看板の何とも言えない色味、皆で話しながら坂を登るシーンのおそらくイレギュラーの狩猟の銃声音の馬鹿でかい轟、詩的で小気味な台詞で飾られるロードムービー🛣。

冒頭の主人公が列車での旅立ちから、登場人物それぞれが人生の偶然の巡り合わせの他者との関わり合いのほんのひとときでさえすでに設計されており、そこに身を任せるかような諦観と慰めの絶妙な温度の空気感が心地よくも哀愁を感じさせた。

大道芸の少女ミニョン演じるナスターシャ・キンスキーは「パリ、テキサス」の失踪した妻ジェーンと見終わった後わかり、この頃から目を惹く魅力があり、ミニョンの個性と相まって、作品の不思議な雰囲気に一役買ってるな思った。

ヴェンダースはこれからも見ていくけれど、これこそ彼の作家性の真骨頂の映像詩だと思う。
他の作品と比べ、評価が低いのが全くわからない😥
「パリ、テキサス」と同等、ひょっとしたらそれ以上好みの快作だと思う。 
 
本当に好きな映画にまた会えた🎞最高👍🏻
シカク

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