菩薩

まわり道の菩薩のレビュー・感想・評価

まわり道(1974年製作の映画)
3.8
旅は道連れ世は情けと言いつつも人情も慈悲もなく虚無のみがある。全てが無為に帰し未遂に終わる中で自殺志願者だけは少しばかり生きながらえた人生にあまりにも呆気なく終止符をうつ。何に導かれるでもなく当然発生した集団はそこを再度の起点に霧散していく。孤独を埋め合うでもなくより浮き彫りにし、まわり道を辿り行き着く先にはこれと言って何かがあるわけではない。ただそこには人生と言うものがあり、苦悩と孤独の先に言葉と詩とがあり芸術がある。もはや若くもないヴィルヘルムの悩み、自分など探さなくとも嫌と言うほどただそこに自分がいる。
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