蛸

革命前夜の蛸のレビュー・感想・評価

革命前夜(1964年製作の映画)
4.1
主人公(共産主義にかぶれたブルジョア階級の若者)の青春の精神的彷徨。
全体的にすごくヌーヴェルヴァーグの影響が濃い作品(詩的なモノローグや無駄話、非映画的な外しの編集などなど)。

カメラが結構ガンガン動くところも印象的。それでも画の美しさが崩れないところがさすが。
極端なアップで人物の動きの断片を捉えたショットが多用されているんだけれど、青春の不安定なきらめき、みたいなものを演出しているような映像になっていると思った。
不自然なほどヒロインから「目を離さない」窃視的カメラワークが、主人公がヒロインに夢中であることを示していて面白い。全体的に年上のヒロインの魅力が爆発しているところも魅力的。

ヌーヴェルヴァーグの影響丸出しのところも青臭いと言えば青臭いんだけど、瑞々しい感覚にあふれた一本。青春の終わり、的な寂しさも良い。
これ23歳の時に撮ったってベルトリッチ凄すぎでしょ。
蛸