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悪名のcatmanのレビュー・感想・評価

悪名(1961年製作の映画)
4.0
1961年公開のシリーズ1作目。俳優がそろって若い!特に田宮二郎(26) はこんなにも溌溂とした元気な役者だったのかと驚いた。上背があるので見栄えも良くて動きにキレもある。早口で軽妙な河内弁も凄くいい(但し聞き取りにくい)。当時30歳の勝新はまだ顔がツルツルでシュッとしていて眼もクリクリしていて座頭市ほどの貫禄と凄みは無いけれど、やっぱり彼が持つ天性のイノセントで人たらし的な魅力が本作のダイナモだと感じられる。
勝新を見る中村玉緒(22) の眼がハートマークにしか見えないのは演技なのか素なのか、大変微笑ましくって観ていてニヤニヤしてしまう。玉緒の他にも女優陣はそれぞれ個性豊かで魅力的。2,000人の子分を率いる女親分の浪花千栄子スゲェ。彼女の登場でラストがグッと引き締まる。

任侠物と言うよりこれは寧ろ人情モノと言える映画で、ヤクザの世界を描きながら緊張感は希薄でどこか心暖まる様な雰囲気がいい。序盤の勝と田宮のステゴロは、プロによってコーディネートされた現代の格闘戦とは対照的に即興性が強くてまさに喧嘩そのもの。改めて勝新の身体能力の高さに感心した次第。大映映画はオモロイなぁ
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