エアール

キャンディのエアールのレビュー・感想・評価

キャンディ(2006年製作の映画)
3.7
アビー・コニッシュ×ヒース・レジャー。
ドラッグに溺れて、
堕ちて、また堕ちて、これでもかと堕ちる…、
どこまでも翻弄され、苦しみ思い悩むカップルを熱演しております。
二人とも芝居が良くてですね〜
何も言うことありません。

破滅の道を歩むカップルの顚末を
天国、地上、地獄、と3つのパートに分けて追います。


Heaven
激しく愛し合うギャンディとダン。
ドラッグ、
すべてが鮮明に見える世界、
二人だけの幸せな時間
ーー愛する人と愛し合えればそれでいい、
金欠、
ドラッグを得るために身の回りの物を売り、キャンディは見知らぬ男に体を売る、
幸せな結婚、
娘のキャンディを心配する両親、…。

これよりさらに破滅の道を歩むことになる
ーー自堕落で、どこまでも刹那的な道を…

Earth
ドラッグがやめられず些細なことでも気に障り罵り合う二人、
相変わらずの金欠、
質素な生活、
ケンカばかりの日々
ーーそれでも愛し合う、
盗人と娼婦、それで得たまとまったお金、
新たな生命、
ドラッグを断ち、今よりもまともな生活をと
ーー禁薬生活、凄まじい禁断症状と厳しい現実、自傷行為とヒステリック、…
進行流産と悲劇、…

まだまだ止まらない、クソみたいな人生…

Hell
何事もよかれと思って行動に移す日々
ーー耐えられない悲しみを一時の快楽で忘れるために、
田舎での新しい生活、
働き始めるダン、
精神の崩壊、
身近な人の死、…

なんでこんなに辛い思いをしなきゃならない
ーーいっそ出会わなければ…


キャンディ
・・ダンと破滅的な恋に落ちる美女。
画家を目指すも、ダンとの出会いによりドラッグに溺れていく
ーー娼婦となり、子宝を授かるも死産、精神のバランスを崩す、…。
そんなで画も描けなくなってしまう。

母親とは確執があり、決して良好な関係とは言えない。

演じるは、アビー・コニッシュ。
文字通り体当たりの芝居で魅せます。

ダニエル
・・通称、ダン。
詩人志望の青年で、ヘロイン中毒者。
キャンディを心から愛している。
キャンディがドラッグの道へ歩むきっかけを作ってしまう。
ドラッグを手に入れるために犯罪にも手を染めていく…。

キャスパー
・・大学で教鞭をとる有機化学の准教授。
ゲイであり、ダンとは古い付き合い
ーーダンは彼を“理想の父親“と慕う。

立場を利用し薬物を製造
ーー完璧にピュアなヘロインを作り出す。

もちろんダン自身の問題が占める部分は大きいものの
彼の存在もダンがドラッグから逃れられない要因のひとつであることは違いない。

演じるは、ジェフリー・ラッシュ。
出演シーンは多くないもののやはりいいね、お気に入りの俳優さんのひとりです。

シューマン
・・ヘロイン中毒者、ダンとは友人。


昔むかし
キャンディとダンがいた
2人だけの世界、すべてが金色だった
彼はハンサムで、一流の犯罪者
2人は太陽とチョコレートで生きた
彼は彼女のためなら何でもやろうとした
愛しいダン

あなたは、たちまち
わたしの人生に入り込んだ
あなたは空を指さして言った
“あの星はシリウス“
“最も明るいおおいぬ座の星“

あなたのささやきが大好きだった
でも、あなたを愛することは許されない
大胆不敵なダン
そしてキャンディは消えた…
エアール

エアール