じょせ

4匹の蝿のじょせのレビュー・感想・評価

4匹の蝿(1971年製作の映画)
4.2
アルジェントの初期三部作の三作目。
研ぎ澄まされた映像的語り口による傑作ジャッロ。

バンドマンの主人公は自分を付け回す不審な男を問い詰める中で揉み合いになり、ナイフで男を刺殺してしまう。その瞬間を待ち構えていたかのようにカメラに収める不審な影。罪の意識と怪しい影の脅迫に悩まされながら真相を追う主人公の周囲で次々と殺人が起こり始める。

観客に自身の「視線」を意識させる凝りまくったカメラワークと「今ここにこれが?」という謎めいたカットが差し込まれるクセが強い編集、どちらも切れ味抜群。オープニングのシーケンスや探偵のところに訪ねる道程のカットバックには惚れ惚れしてしまう。

ゲイの私立探偵や主人公を手助けする「神様」に「教授」などサブキャラクターも魅力的でコミカルなやりとりも楽しい。

「目撃したものの本質に気づけない」というテーマはより洗練され、「被害者の網膜に焼き付いた最後の光景」というアイデアへと昇華されている。意味ありげに繰り返される斬首の
悪夢の使い方も印象的。

殺しの描写については、三番目の犠牲者の場面、鮮やかな階段落ち表現にシビれる。
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